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スポーツの秋


こんにちは。
『君の魔法』の更新ができないので、ひさびさ短編、いや、小ネタです。

もう初冬と言っても間違いではないかもしれませんが。
そして、落ちも意味も甘さもありませんが。
すみません、思い付きです。





キョーコは競技場のトラックに立ってスタンドを見上げた。
「ふわーー、観客に見られるってこんな眺めなんだ~~」
秋晴れの高い青空、気持ちいい風。
「まさに、スポーツの秋よね!」
ピンク色のジャージ姿のキョーコはぐっと両手で握りこぶしを作る。
「おはよう、最上さん」
後ろからかけられた声にキョーコが振り向くと、そこには黒いジャージを着た先輩俳優が歩いてくる姿があった。
(ジャージでも格好いいって、どういうことなのかしら…)
ファッションショーでも見ているような錯覚を覚える姿にキョーコは一瞬見惚れるが、慌てて挨拶を返した。
「おはようございます!敦賀さん!今日はスポーツ日和ですよ!」
「うん、それはそうなんだけど、今日はスポーツといっても結構地味だよね」
「地味は地味ですけど、自分の能力がわかるので、ちょっと楽しみなんですよ!!」
キョーコはキラキラとした瞳で嬉しそうに答えた。

ふと見ると、なぜか蓮のマネージャーである社までジャージを着ている。
「あれ?社さんまでなぜジャージを…?」
「一般的な20代男として、芸能人やその関係者のデータを取るって言われて…」
キョーコはなるほど!と納得すると、声を上げた。

「それでは敦賀さんも社さんも頑張りましょう!体力測定!!」


(1)50m走

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「社さん速いですねぇ」
「はぁ、はぁ、そう? ‥はぁ~~。久しぶりだよ、全力疾走は…キョーコちゃんもさすがだね」
「ありがとうございます。思ったより頑張れました…ところで、敦賀さんは放っておいていいんですか?」
「…蓮も大人だからね。実業団の陸上部の誘いくらい、自分で断れるだろう」
「隠れた逸材、とか言われてましたよ」
「きっとどの業界行っても言われるよ」
「化け物じみてますね…」
「キョーコちゃん、その感想、俺も同意するけど、蓮が泣くから本人には言わないでおいてあげて…」


(2)ハンドボール投げ

「次、俺?」
「そうです!敦賀さん、お願いします!」
(ぶん!)
「わっ!すごい!!!あ、 ファーーーーーーーーーー!!!!!」

「キョーコちゃん、それ競技違う」


(3)反復横とび

「敦賀さん、敦賀さんだけラインの間隔変えません?」
「……」
「ずるいですよ。ちょっと足伸ばしただけで届くじゃないですか!上半身動かないじゃないですか!!」
「…最上さん、褒めてるの、怒ってるの?」


(4)握力

「敦賀さん、どうですか?見せてくださいよ」
「…ふう。どう?」
「どれどれ……え?」

「あれ、キョーコちゃんは?」
「ああ、社さん。いや、俺の握力の数値見て、急に走ってっちゃったんですよね」
「蓮、握力いくつだったの?」
「えーと、81kgでした」
「はああ??なにそれ!どこのプロレスラーだよ!」

「はあ、はあ、はあ…」
「キョーコちゃん!どこ行ってたの?」
「さ、探しちゃって……さあ、敦賀さん!これを、お願いします!」
「最上さん、そんなわくわくした顔して、リンゴをどうしろって言うのかな?」


(*) 終了後

「蓮、キョーコちゃんなんか落ち込んでないか?」
「…ああ、まあ」

ぶつぶつぶつぶつ
「体の柔らかさくらいだったら勝てると思ったのに…」

「蓮に長座体前屈も勝てなかったから落ち込んでるのか」
「そういうことです」

「しょうがないよ、キョーコちゃん。蓮腕が長いからさ」
「さっき敦賀さんも同じこと言いましたけど、脚も長いじゃないですか」
「全体長い分、同じ角度で曲がっても値は大きいんだよ」
「いいです!今から筋トレとジョギングして来年に備えるんです!絶対負けませんからね!」

男二人は揃って思った。

…来年もやるのか…?


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