SkipSkip Box

刻印 【メロキュンプレゼンツ!! 《ハッピー♡プレゼント!!》】


こんばんは!ぞうはなです。

さて、今日はメロキュン参加作2作目!(つーてもこれで打ち止め…)
お題は「プレゼント」です。

しょうこりもなく2つ目ですが、とりあえず前回の反省を…いかせているかどうか。
違う雰囲気で書きたくて、頑張ったつもりですが…

納得いかない!という方は、ぜひ続々と参加作がアップされているお祭り会場へお越しください。
今回は主催してくださっているお三方のお祭り会場へのリンクを張っておきます!

<<期間限定!メロキュン・リターンズ☆蓮誕&VDお祭り会場>>
http://ameblo.jp/picopico5/entry-11749474172.html(Bubble Shower:ピコ様)

http://ameblo.jp/sk56-crpa23-46vv/entry-11749086875.html(リク魔人の妄想宝物庫:sei様)

http://ameblo.jp/wind615-song/entry-11749429897.html(風月のスキビだより:風月様)


ではでは、どうぞ!





カイン兄妹の滞在するホテルの一室。
雪花はシャワールームから出てベッドの方に視線を送り、ため息をついた。ため息に交じって呆れたような英語のセリフが放たれる。
「兄さん、もういい加減にしたら」

小さい丸テーブルを引き寄せてベッドに腰掛けていた少女の兄カインがゆっくりと顔を妹の方へと向けた。
カインはバスローブを着ていて、その手の中にはグラスが収まっている。

「まったく、ご飯は食べないくせに」
つかつかとカインに歩み寄ると雪花はその手のグラスを躊躇なく奪い取った。テーブルに置かれた酒瓶にちらりと目をやれば、シャワールームに入る前に自分が確認した時点から、もう随分とその中の液体は減っている気がする。

「明日に響くんだから、もうおしまい」
言ってみて、ふと雪花は気がついた。
明日はカインとしての撮影は休みで、敦賀蓮としての仕事が朝から入っているはずだ。自分も京子としてドラマの撮影に行かなくてはならない。

敦賀さん…強いお酒こんなに飲んじゃって、明日大丈夫なのかしら?

酒臭い息を吐いて現場に入る敦賀蓮は誰も見たくないだろう。しかも明日は時間にルーズなカインと違ってきっちりと時間前に動くはずだ。
ベットサイドのデジタル時計を見れば、すでに日が変わってしまっている。

明日は敦賀さんに戻るのに……本当にカインとして過ごす時間は手を抜かないんだから…

グラスと瓶を手の届かないところに片付けてしまおうと足を一歩踏み出したところで、雪花の腕はがっちりと掴まれた。

「なに?」
キョーコは心臓が飛び出るくらいに驚いたが、雪花は見事に冷めた表情を作って後ろを振り返る。
「お前は冷たい妹だな」
「何よ、体を心配してあげてるんだからやさしいでしょ」
「違う、酒の話じゃない」
ぼそぼそと繰り出される言葉に、雪花は怪訝な顔になった。

「お酒じゃないなら何よ?」
「日が変わったらすぐに祝うのが妹の務めじゃないのか」
「?」
何の話か分からないが、余計なことを言うとやぶ蛇になる。雪花は軽く首を傾げただけで無言で兄の言葉を促した。

「まさか俺の誕生日を覚えてないなんて事はないな?」
「そんな訳ないでしょ」

軽く笑って答えながらも、中のキョーコはパニックを起こす。

え?え?えええ?
今日ってカイン・ヒールの誕生日なの?そんな設定あったっけ…?
うううひどいわ、そういう細かい設定もちゃんと事前に確認しとけって言うそういうお叱りなのかしら…!
下手な返しをしたらきっとまたダメ息つかれるわ!

「なあに?イチゴのケーキにろうそく立てて欲しいの?まさかね…」
中の人の動揺をなんとか押し込めて口の端を吊り上げた雪花の隙を突いて、カインはグラスを取り返す。あ、と雪花が反応したときはグラスの中の液体は一気にカインの喉の奥へと消えていた。
「ちょっともう!」
雪花は抗議の声を上げたが、カインは空になったグラスを床に放り出すと掴んだままの雪花の腕を乱暴に引っ張った。

小さい悲鳴を上げて雪花の体はカインの足の間へと転がり込む。カインに背中を向けてベッドに尻餅をついた体に後ろから長い両腕が回ってきて、予想外の出来事の連続に雪花は思わず息を呑んだ。
「プレゼントもケーキも、陳腐な祝いの言葉もいらない。お前がここにいればそれでいい」
耳元で囁かれる言葉は雪花にとっては一番嬉しいもの。あおったばかりのウイスキーの香りが漂ってくるとそれだけで自分も酔ってしまう気がする。

けれど、キョーコ自身にはその言葉は重く鋭い。
雪花に向けられているものなのだと強く心に言い聞かせなければ崩れてしまいそうだ。

「そんなの、誕生日だからって変わるものじゃないでしょ。私はいつだって関係なくここにずっといるもの」
体に回った腕に少し力が入った気がしてキョーコの心臓がどきりと跳ねる。何も言葉を返してこないカインに少し不安になって、雪花はそっと聞いた。
「兄さんはどうなのよ。ちゃんとずっと一緒にいてくれるの?」
「なんでそんなことを聞く?」
少し険しい声になったカインの腕に雪花は両手を重ねた。

「この時間がただの夢だったら怖いなって……たまに思うから」

その口調は、普段の雪花と少し違ったかもしれない。
キョーコは言ってしまってからそれに気づいたが、黙って少し顔を下げる。

すると、いきなりカインの右手が雪花の右頬を遠慮なくつねりあげた。
「俺はお前のもので、お前は俺のものだ。それは夢でも幻でもない。そうじゃないのか?」
「わかったわ…わかったからもう、痛いってば!」
カインの手を振り払うと雪花は痛みの残る頬をさする。

「そうだな…特別な日にはやはり、今だけでなく永遠の約束が欲しくなる…誓いのしるしをここに刻んでいいか」
長い指が大きく開いた雪花の鎖骨の辺りをこつこつとつついた。


じょじょじょ冗談でしょお!明日は雪花じゃないんだから…!!

キョーコは焦った。なんとしてもそれは回避しないと。
「前に嫌だって言ったわ」
「そうすれば」
雪花の返事にかぶせるようにカインは低い声で囁く。
「お前がここにいない時、全く違う見た目で違う名前の時にも…俺との誓いを忘れられないだろう。見るたびに現実なんだと思い知ればいい」
「…え?」
「メイクをぬぐっても服を着替えても、ここは素肌だからな。約束を刻むにはちょうどいい」
雪花は思わず振り返ってカインを見た。カインは無表情に、でも真剣な目で自分を見ている。

「そんなの…すぐに消えちゃうわ。消えたらやっぱり夢なんだって、幻だったんだって思っちゃいそうで、逆に怖い」
「セツ…」
呟かれた名前に、雪花の瞳が一瞬揺れた。カインは思わず雪花の腕をつかんでいた指に力を入れる。

「ならば心に刻もう」
カインの手が雪花の腕から外れると、ゆっくりとその髪をなでた。そして優しく頭を引き寄せると、髪に顔をうずめるようにしてキスを贈る。
「俺の魂はいつもお前の元にある。俺がどんな姿でも関係ない」
「……私も…」
そっとそっと雪花が呟くと、ふいに頭に触れていた感触が離れた。顔を上げてみると、そこにある柔らかい笑顔はカインではなく、まぎれもない蓮のもの。

「君の心にも刻まれた?」
しばらくの沈黙の後に落とされた台詞は日本語。
キョーコは驚いて目を見開いたが、やがてふわりと表情を緩めて恥ずかしそうにはにかむと無言で小さく頷いた。

蓮も満足げに笑うと、改めて腕の中の少女をやさしく強く抱きしめる。

カインの腕の中にいるのは確かにキョーコで、雪花を抱え込んでいるのはまぎれもなく蓮。
そのまま2人の周りには静かな静かな時間が流れていった。

誕生日という名目で何でもない日に起きた出来事は、きっと2人にとって忘れられないプレゼント。カインと雪花の誓いは、蓮とキョーコの約束として、ゆっくりとゆっくりと、深く2人の心に刻まれていく。


関連記事

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

きゃー!!

まさかの二作品目がいただけるなんてー!!
あーりーがーとーうーごーざーいーまーすぅ!!!!
しかもカインとセツカで中の人の動揺が見れる話大好きなので嬉しいですー!!
幸せな気分になりましたー!!

風月 | URL | 2014/02/19 (Wed) 22:57 [編集]


ごちそうさまでした!

カイセツすきーにはたまりません!
カインを装っていろいろしちゃう蓮さん!ナイスよっ!

霜月さうら | URL | 2014/02/19 (Wed) 23:33 [編集]


おおおう!!

ぞうはなさんからの2作目!!大サービスですね!!有難うございます!

本誌でもカイセツのときなら、こういう流れになってもおかしくなかったですよねー!セツカなキョコさんの反応が非常にキュートです!!

本誌のヘタレな蓮さんは大チャンスを逃したのね。と、この素敵なお話を読んで思いました。(* ̄m ̄*)

(彼にこのお話を読ませてあげたい!)



魔人sei | URL | 2014/02/20 (Thu) 07:53 [編集]


Re: きゃー!!

> 風月様

なんとか間に合ったのですが、にぎやかしにもならなくてすみませーーん。

カインも雪花も中の人の動揺をサブ音声で聞いてみたいところですよね…
いやんもう、読むのも書くのも妄想に浸れる素敵企画を本当にありがとうございますー!

ぞうはな | URL | 2014/02/20 (Thu) 18:29 [編集]


Re: ごちそうさまでした!

> 霜月さうら様

ありがとうございます!
お粗末さまでございました‥。

書いてから考えてみたら、カイン兄さんを登場させたのは初めてでした。
蓮さんがやるとセクハラなこともカインがやれば妹バカな兄ですもんね。まさに隠れ蓑。

ぞうはな | URL | 2014/02/20 (Thu) 18:30 [編集]


Re: おおおう!!

> 魔人sei様

何やらあの、お題に沿ってるかどうかがほんとに2作ともなんなのですが、申し訳ありませんー。

雪花として過ごす時間がキョコさんの恋心をぐんと加速させてるのにぃ…そのキョコさんをぎゅうしてるのにぃ…と、やきもきした結果の妄想でございました。
へタレなのはともかく、心の動きくらいぴぴっと察知してあげてほしいですよねっ。

ぞうはな | URL | 2014/02/20 (Thu) 18:32 [編集]


カイン雪モードから突然の蓮キョ…

こんばんわ。お久しぶりです。お話、拝読いたしました。初めは、カイン雪でちょっと危なそうでドキッとしましたが、蓮キョになった途端に柔らかなムードに変わって幸せな気持ちになりました。こんな風に何気ない日常の一コマが幸福につながったら素敵でしょうね。毎日忙しい二人のつかの間の、時間の速度が変わったような空間に読者の私も浸ることができました。ありがとうございました。

Genki | URL | 2014/02/20 (Thu) 23:35 [編集]


Re: カイン雪モードから突然の蓮キョ…

> Genki様

コメントありがとうございます!
楽しんでいただけたなら嬉しいです。

きっと大事な事のきっかけって日常の些細な事なんだろうな、と思いました。
しっかり決意して場を整えての告白やプロポーズも素敵ですけど、不安な時や揺らいだ時に嬉しい言葉をもらえるのも幸せなんでしょうね。

ぞうはな | URL | 2014/02/21 (Fri) 06:42 [編集]