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絶望と切望と(前編) 【メロキュンプレゼンツ!! 《ハッピー♡プレゼント!!》】


こんばんは!ぞうはなです。
蓮さん、誕生日おめでとーーー!

連載の途中ですが、蓮誕ですし今日は少し違うお話を。
ぞうはなも参加させていただいていたラブコラボ研究所。期間限定で帰ってきました!

今回のお題は『プレゼント』。
さあ、久々のメロキュンですよっ。久々のメロもキュンもない前編ですよっ。

ぞうはなのお話だけでは全く満たされないのよっ!というお方は、是非、続々と他マスター様による作品が集まってきているお祭り会場へお越しくださいませ!

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ではでは甘くない前編です。




1月下旬。
超有名イケメン俳優は表向き普段通りであっても内面は非常にそわそわし始めていた。その心境はたとえ一番傍にいる有能マネージャーにさえも見せはしないのだが、時期が時期だけに見せなくても何かを察知されてしまってはいる。

「今年はキョーコちゃん、お前の誕生日覚えてくれてるかなあ?」

いやらしいニヤニヤ笑顔でマネージャーに言われて、蓮は素っ気なく真顔で答えた。
「さあ?別に俺の誕生日を覚えておかなくちゃいけない義務は最上さんにはありませんよ」
「またまたそんなこと言っちゃって気にしてるクセに。バレンタインもあるしなあ。キョーコちゃんのスケジュール調べとくか?」

必要ありません、と蓮は素っ気無く話題を断ちきったが、キョーコが自分の誕生日を祝ってくれるつもりがあるのかどうかは気になるところだ。

いや。

義理堅く上下関係を大切にするキョーコのことだから、蓮の誕生日を忘れているとか、何もしないとか、そっちの方が考えにくい。大事なのは祝ってくれるスタンスだ。

去年と同じく単純に「お世話になっている先輩のお誕生日をお祝いしないなどの不義理は考えられない」なのか?
それとも、ほんのちょびっとでも自分を特別な相手として何か想ってくれる気持ちがあるのか?

過度な期待は出来ないが、この1年で同じ部屋で寝起きを共にしたこともあったし、少しくらい関係に進展があってもいいのではないかと蓮は希望を見出しそうになり、慌てて心の中で否定する。

いや、また彼女のことだ…俺の予想がつかないような論理で結局は何の進展もないってことだって十分…


無表情の下の葛藤を読み取ったわけではなかったが、隣で蓮の顔をちらりと窺いながら社もまた祈るような気持ちだった。

キョーコちゃん、頼むよぉ…!
忘れることだけは避けてくれぇぇ。そして願わくば、今年は俺より先に蓮にバレンタインのチョコを…。


男たちの苦悩が天に通じたのか、それから間もなく訪れたテレビ局で2人は「京子様」と書かれた楽屋の前を偶然通りかかると言う幸運に恵まれた。
俺は先に楽屋に行ってるから、という社に取り残され、いるかどうかも分からない楽屋のドアを蓮がノックすると、これまた幸運なことに中から「はい!」という返事が聞こえる。

「お疲れ様」
緩む頬を必死に整えながらドアを開けてひょいと覗きこむと、中ではキョーコが椅子に座ったまま何かをカバンに慌てて押し込んだところだった。ぎゅぎゅうと押し込んだカバンからぱっと手を離して立ち上がり、ぺこりとお辞儀をするが少しおどおどとして挙動が怪しい。
「お、お疲れ様です!!敦賀さんも今日はここでお仕事なんですか?あの、こちらからご挨拶するべきなのにわざわざお越しいただいてしまって申し訳ありません!」

「?」
蓮はいつものキョーコらしくない行動と慌てたように一気にまくし立てられる台詞に少し戸惑ったが、明らかに何かを隠したがっていそうな様子に、あえてそれには触れないことに決めた。
「いや。今ちょうど前をたまたま通りかかっただけなんだ。収録中かと思ったんだけどいてくれてよかった」
「あ、ありがとうございます…」
キョーコは少し恥らうようにはにかんで頭を下げたが、蓮は見逃さなかった。

キョーコは頭を下げながらちらりと先ほどのカバンの方に視線をやっている。それは隠したものがちゃんと隠れているのか、確認したように見えた。

見られると都合の悪いものがあるのか…?

自分もこれから収録だからと、お茶を淹れてくれようとするキョーコをとどめて蓮は早々に部屋を出た。
時間がないのは事実だが、それ以上に落ち着かない様子のキョーコを前にして「どうしたの?隠したものは何?」と問いたださないでいられる自信がなかった。しかし、自分の楽屋に向かって廊下を歩きながらふと1つの可能性にいきあたる。

もしかして俺の誕生日プレゼントか…?

うっかり楽観的に考えてからいやいやとその考えを頭から振り払うが、そう考えると自分に見せないようにおどおどと気を遣っていた理由がしっくり来る。

何かリサーチしてくれているとか手作りしてくれるとか……?
でもそれにしては少し怯えたような表情をしていた気がしなくもないが…


自分があれこれ考えても仕方がない、と蓮はキョーコが隠したものについての考えを振り払った。
どっちにしてもあと少しで結論が出る。あまり期待をしすぎて当日に突き落とされるのだけはぞっとするから考えたくない。最悪何ももらえなくても文句は言えないんだし、とぶつぶつと自分に言い聞かせる様は、芸能界一の色男と称される男の姿としては少し情けないものだったが、傍から見れば「真剣に考え込む男性の表情って素敵…」とすれ違う女性たちを虜にしていたのだから、誰にも気づかれずに済んでいたようだった。

幸運の、いやある意味悩みの種が増えるのだから不幸のといってもいいのかもしれないが、偶然は続いた。

また数日後、蓮が立ち寄ったLME事務所の1階にあるカフェテリア。
そこには打ち合わせをする社員やタレントの姿がちらほらと見えていたが、端っこの方に座っている制服姿の少女の背中に蓮は目を留めた。

あれは…最上さんだ。

キョーコは机の上になにやら分厚い雑誌を広げ、更にその上に手帳を広げてペンを手に持ったまま携帯で誰かと会話をしている。主任と打ち合わせ中の社を待つためにカフェテリアに足を踏み入れていた蓮は、キョーコの電話の相手に興味を持った。

はきはきと笑顔で会話をするキョーコはたびたび軽く頭を下げており、その表情や微かに聞こえてくる口調から見てもおそらく先輩など目上の人間と会話をしているのだろう。

蓮はさりげなくキョーコの後ろ側から接近すると、声をかけずに少しだけ離れた斜め後ろのテーブルについた。
落ち着いて聞き耳を立てればキョーコの声が聞こえてくる。

「…はい。今ちょうど見ていたところなんです。…はい。え?ホントですか?」
キョーコがぱっと笑顔になり、弾んだような声を上げた。
「…ええ。…そうですね、やっぱりドレスを直接見られるのは嬉しいです。シルエットとか素材とか写真だと細かいところが分からないので」

ドレス?何の話だ?と蓮はじっとたたずんだまま会話の内容に集中した。

「タキシードもですか?すごい、助かります!ありがとうございます」
キョーコは自分の手帳をめくってなにやらペンで書き込んでいる。
「はい、5時ですね…はい、大丈夫です、伺います」

そして何回も頭を下げながらお礼を言うと、キョーコは通話を終えた。携帯をぱたりとたたんでから机に広げた雑誌に目をやり、やや小声で独り言らしきことをぷちぷちと呟く。
「あー、よかった!やっぱり直接見ないとね。うふふ、嬉しいなあ。ドレス、綺麗だろうなー」
キョーコは無言でしばらく広げた雑誌をじっと眺めている。蓮の位置からはしっかりとその表情は見えていないが、少しにやけたような幸せそうな顔で見入っているようだ。やがてはっと体を起こしたキョーコは携帯で時間を確認すると慌てて片付けにかかった。
「いけない!椹さんのところに行かないと」

さりげなく蓮が見ていると、キョーコは手帳と雑誌を閉じて横の椅子に置いたカバンにしまいこむ。ちらりと見えた雑誌はとても分厚く重そうで、表紙には笑顔で白いドレスに身を包んだ女性モデルが大きく写っていて蓮は思わず目を見開いてしまった。

やがて片づけを終えたキョーコが荷物を持って席を立つ。機嫌よく軽い足取りのキョーコは慌てて目をそらして気配を消した蓮には気づくことなくカフェテリアから出て行った。

キョーコが出て行ってもしばらく動かずにいた蓮は、内心軽いパニックに襲われていた。

今のって……ウエディングの情報誌、だった…?
ドレスって言ってたのはウエディングドレスのことか。直接見るって……!
いや、最上さんはまだ18歳になったばかりだ。そんな話一切聞いてもいないし、まさか結婚だなんて……?

日本では女性は16歳から結婚が可能だ。18歳ともなれば酒こそ飲めないもののある程度は大人として扱われるので可能性ゼロとは言い切れない。それに、そんなプライベートな話、内密に進めていたとしたら"ただの先輩"である自分には話す訳もないだろう。
そんなことに気がついて蓮はショックを受けた。椹さんのところに行くと言うのはもしかして、その話をするためだろうか。

「蓮、お待たせ。ちょうどいいからこのまま軽く打ち合わせてもいいか?」
カフェテリアの入り口ですぐに蓮に気がついた社が近寄って話しかけてきた。しかし蓮は動かず反応もしない。

「蓮?」
目の前で手をひらひらと振られて、ようやく蓮は顔を上げた。しかしその顔は呆然としていて反応もどこか上の空だ。
「あ…ああ、社さん…」
「お前どうした?」
「いや…別になんでもありません」
向かいの椅子に腰を下ろしながら不思議そうに自分の顔を覗き込む社を見て、蓮は慌てて自分を立て直した。
「大丈夫か?なんかぼーっとしてるぞ」
「すみません、ちょっと眠かったみたいです。失礼しました」
「本当に平気か?」

社は少し心配そうだったが、蓮がしっかりと頷いたのを見て表情を緩めた。
「そういえば、キョーコちゃん今事務所にいるみたいだぞ。あとで部室に寄るか?」
「あーー…いや……」
無表情の中に少しだけ浮かんだ困惑の表情とはっきりしない返答に、社は眉をひそめる。
「お前やっぱり変だぞ。どうした、なんかあったのか?」
「いえなんでもありませんよ。ちょっと時間が気になっただけです」
「ほんとか?」
社は更に問いかけたが、それ以上蓮が答えようとしなかったので諦めて仕事の話を始める。
蓮はいつもの微笑みを浮かべて社の話を聞きながらも、キョーコの行動に対して抱いてしまった疑念をぐるぐると頭の中で考え続けたのだった。

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コメントコメント


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きゃー!!!!

これまた気になる展開ー!!!!
メロキュン参加ありがとうございますぅー!!

ウエディングドレスとタキシードっ!!キョーコちゃんは何の目的で見に行こうとしてるのでしょー?!
蓮様精神状態大丈夫か?とドキドキしつつ続き楽しみにしてまーす!!

風月 | URL | 2014/02/11 (Tue) 00:00 [編集]


あははは!

蓮さんじゃなければ、いきなり結婚するのか?なーんて、親しい人は思わないですよね。(笑)

(兄弟とか友達とかのお祝いとか?)

キョコさん並の想像力を発揮してグルグルしてる蓮さんが、可愛いですね!続きも楽しみにしてます!

魔人sei | URL | 2014/02/11 (Tue) 14:59 [編集]


Re: きゃー!!!!

> 風月様

こちらこそ素敵企画をありがとうございます!

うふふふ。
キョコさん、何やら怪しい動きをしております。
あれ?ここまでではまだプレゼントないぞー、と思いながら続きに参りますー。

ぞうはな | URL | 2014/02/11 (Tue) 23:15 [編集]


Re: あははは!

> 魔人sei様

この度は素敵企画をありがとうございますー!

そう、蓮さんはキョコさんの気持ちがなかなか読めない分、疑心暗鬼に陥ってあれこれ悪い事を想像してしまっています。
これも恋心のなせるわざですよねー。

ぞうはな | URL | 2014/02/11 (Tue) 23:17 [編集]