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必勝法


こんばんは!

本日は逃避前に思いついた小ネタを一つ。
続き物の再開はまたしばらくお待ちくださいませませ。
さっそく、ゆきます!




「敦賀さん……私たち、もう終わりにしませんか」
「最上さん、どうしていきなりそんなことを言うの?」
「だって……」
「俺は、君との時間が楽しくて、かけがえの無いものだと思ってる。君は、そうじゃなかった…?」
「いいえ!そんな事……私だってすごく楽しくて…でも!」
「でも?」
「楽しくても、ずっと続けられる訳じゃない…敦賀さんだって分かってるはずです」
「それはそうかもしれないけど。じゃあもう少し、もう少しだけだったら?」
「そうやってずるずる引き延ばして、結局敦賀さんに流されちゃうの、もう嫌なんです」
「ずるずるだなんて、そんな言い方やめてくれ」
「すみません……でも、このまま続けたら、その内お仕事にも支障が出ちゃうかもしれないし」
「今までそんな事態になったことがあったかい?なかったはずだけど」
「確かに今まではありませんでした。だからこれからも無いなんて、言えません…!やっぱりちゃんと、けじめをつけたいんです」
「最上さん…」


「……あのー?」


「はい?」
「どうしました、社さん?」

「いや……君たちは、何の話をしてるのかな?」
「あ…いえ、そろそろ待ち時間も終わりそうですし、おしまいにしようかと思って」
「何を?」
「え?この通り、オセロですけど…」
「もう少し時間があるからあと1戦、て頼んでるのに最上さんが聞いてくれないんですよ」
「だって、途中で呼ばれちゃったら気になって仕方ないじゃないですか!今がきりがよくてちょうどいいんですよ」

「ああ…やっぱりオセロね」
「はい?」
「いや、なんでもないよ。うーん、確かにそろそろ故障した機器の交換も終わりそうだけど…テストも必要だしちょっとは時間あるんじゃないの?」
「ほら、だからもう1戦できるだろう?」
「う……」
「なんでキョーコちゃんはそんなに嫌がるの?」
「い、嫌がってなんて無いですけど…!」
「勝ち越したいんだよね」
「え?」
「今ちょうど、最上さんの3勝2敗なんですよ。このまま終われば俺に勝ち越して終われる、て思ってるだろう?」
「う…やっぱり気がついてましたか。だってそんなこと……滅多にないんですもん…」
「あはは。なるほどねえー!でもそんな互角なんだ、すごいねキョーコちゃん」
「勝つための方法を敦賀さんに教えてもらったんです!それまではボロ負けでした」
「こつを飲み込むのが早いんだよね、最上さんは」
「そうなんだー。いやそれにしても、びっくりしたよ。オセロの話でよかった」

「え?なんでびっくりされたんですか?」
「いやだって、"私たちもう終わりにしませんか"なんて、別れ話かと思ったよ」
「ええええ?そんな訳、ないじゃないですか!!」
「ああ、いやそうなんだけどさ」
「付き合ってもないのに別れ話なんかしませんよ!!」
「そうですよ、付き合ってたとしても別れ話なんかしませんよ」

「え?」
「は?」

「…敦賀さん、何を?」
「ん?俺変なこと言った?」
「お前なんかさらっとおかしなこと言ったぞ」
「仮定の話ですよ、仮定の」
「いやだって、敦賀さんと私がつきあうだなんて…ありえないですよね?」
「ありえないなんてこと、言いきれないだろう」
「え…?」
「君は俺の事、嫌ってはいないだろう?」
「き、嫌ってなんていません!尊敬してますし、もう偉大な先輩だと…」
「尊敬とかはどうでもいいんだけど、そう、近くにいることが嫌ではないよね?」
「もちろんです」
「俺も、最上さんは大事な後輩だと思ってるよ。傍にいてほしいと」
「は…あの……ありがとうございます」
「そうすると、俺は最上さんが傍にいてほしくて、最上さんも俺が傍にいるのは嫌じゃないってこと」
「はい」
「ほら、あり得なくないだろう?」
「……飛躍しすぎです、敦賀さん」
「俺もそう思うぞ蓮。間のプロセスがぶっ飛んでるぞ」
「そうですか?でも、近くにいる事に嫌悪を抱いてたら、もう全く望みはないけど、そうじゃないなら可能性はありますよね?」

「まあ…可能性と言う意味ではそうかもしれないけどな」
「確かに嫌悪を抱く相手と付き合うってことはあり得ませんね」

「だから、ありえないってのはない、それは分かってもらえたかな?」
「はい……んん、なんとなく理屈では」
「でも、別れるのはあり得ないんだよな?」
「そうですよ、ありえません」
「うーん……?」

「敦賀さん、京子さん、お待たせしましたーーーー!」

「ああ、撮影再開だ。思ったより早かったな」
「そうですね。行かないとって、オセロ出しっぱなしでした!」
「ああいいよ、キョーコちゃん。俺やっとくから、蓮とすぐ行って」
「すみません、社さん。ありがとうございます!」


「やれやれ…蓮の奴、あれもアピールのつもりかねえ…キョーコちゃんには全く通じてないようだけどな。オセロでもなんでもそうそう負けない奴だけど、これに関しては蓮の完敗だよなあ…」


「結局最上さんの勝ちだったね、今日は」
「あっ。そうなりますね。やった、初めてですよ!」
「だいぶセオリーを覚えたみたいだね」
「教えてもらって目からうろこの気分でした。先々を考えて進めないといけないんですねえ」

「……」
「な、なんですか、私の顔に何か…?」
「あ、いやごめん。…オセロだったら簡単なのに」
「はい?」
「2枚の白ではさめば間の黒は全部ひっくり返って白になる…シンプルだよね」
「はい…」
「はさんだつもりでもひっくり返らないとか、ひっくり返しても裏がグレーだとか」
「え?な、何のお話を…?」
「いや、何でもないよ。人生はオセロより複雑だって話」
「あー…それはそうですね。でも、すごく悩んだことも、後で考えたらバカみたいに単純だった、てこともありますよね」
「それも…あるね。うん、そうだね。まずは単純に、ひっくり返すことを目標にするか」
「何かあったんですか?」
「…秘密だよ。いや、きっと後で考えてみたら単純な事」
「えーー…そう言われると気になります」
「ふふ、あとであとで。さ、本番始まるよ」
「はい!よろしくお願いします!」
「うん、頑張ろう…………はぁ、色々とね…」


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