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ブザム・カレッサー ~ひめやかに、抱きしめて~


こんばんは!

今日はホワイトデー企画の更新です!

いつもお世話になっています、「ラブコラボ研究所」メロキュン企画第九弾!

「メロキュンカフェバー☆オープン!」でございます~~。

バレンタインはスイーツのお題でしたが、ホワイトデーはお題がカクテルなんです!
素敵です~~。

そんな素敵お題にどこまで乗れるか心配ですが、私なりに頑張ってみました!
一応バレンタインの「アフォガート ~溶けて、溺れて~」の続きになっていますよー。

メロキュン企画も次で最後になります…少しさびしいですが、ラストスパート頑張りますよ!!

ではでは、よろしくお願いしまーす!






人間の顔ってこんなに短時間で見事に真っ赤っかになるもんなのね…

妙に冷静な頭で奏江は思う。
ここはラブミー部の部室で、目の前にはラブミー部のどピンクつなぎを着た最上キョーコが立っている。奏江は部室に入ったとき既にそこにいたキョーコに向かって、特に深い考えもなく挨拶代わりにキョーコに一言発しただけだった。

「どうだったの?敦賀さんにチョコ、渡せたの?」

それだけのことだったのに、キョーコはぴきりと固まると、細かく震えながらあっという間にぶわわわわ、と赤く変色していった。カメレオンでもここまでの劇的な変化は…無理かもしれない。

つまり……去年よりもっと激しいお礼をお見舞いされた、てことよね……もしかして…?

「何その顔は。もしかして、とうとう敦賀さんに告白されたの?」
「はぅぐぅ??と、"とうとう"ってなんなの?!ていうか、告白なんて……」
両手をバタバタと振って取り乱したキョーコはピタリと動きを止めた。

告白?
告白……されてないよね?
「溺れる」とかそういうことは言ってたけど…ききき、キスもされたけど…
ていうか!!!バレンタインデーって女性から告白する日じゃなかったっけ?私、私も……言ってない?

停止したままのキョーコの顔が、今度はどんどんと白くなってくる。
あらあら?と思いながら少し心配になって奏江は声をかけた。
「キョーコ?どうしたの?」
「告白…してないし、されてもいないわ、私……あれ?どう解釈すれば…」
「告白されてないのに押し倒された訳?」
「……?……! な、なんてことゆーのよ!!!」
「だってそれだけ真っ赤になるって事は、よっぽどなお礼だったんでしょ?結局、『食べて(はあと)』で本当に食べられちゃったのね」
「もーーーーこさん!!!!!」


キョーコが蓮の家でチョコを使ったデザートを作り、なんでだか深く曲解(誤解では、なかったと思うけど)をされてから、もう2週間が経っていた。

あの日は結局どんどん溶けるアイスクリームを2人で分けて食べて。
差し出されるスプーンを拒否する事もできず代わりばんこに口にして。
溶けたアイスクリームをうまく食べられなくてうっかり口の端にたれてしまったのを蓮の唇ですくわれたりして。

もう何やら頭がぐらんぐらんしていたので、冷静に思い返すことが今日の今日までできていなかった。

あの日以来、蓮も自分も仕事が忙しくて会えていない。蓮の顔を平気な顔で見られる自信がないので、キョーコにとってはしばらくのすれ違いは好都合だった。蓮はこまめに電話をくれるし、メールのやり取りもあるのだが、その内容は今までとそれほど変わっていない。自分も、恥ずかしくて恥ずかしくて、平静を保つために今までの先輩後輩の立場を崩さずにやってきたのだけど。

あれって…どういう意味だったんだろう?

キスまでされたのに、そのまま宙ぶらりんになっている気がする。かといって自分から「あれってどういう意味なんですか?」なんて聞けやしない。大体自分だってすっかり蓮の雰囲気に飲み込まれてしまって、意思表示なんてほとんどできなかった。…雰囲気に飲み込まれなくたって、意思表示なんてするつもりもなかったのだが。

結局、恥ずかしいのと気まずいのと勇気が出ないのとがごちゃごちゃしてしまって、はっきりしない状態で放置していたのはキョーコ自身だった。でも、一度気がついてしまうとなんだかすごく気になる。

気になって気になって…その夜に蓮からかかってきた電話で、どうやら電波に乗ってキョーコの気持ちが伝わってしまったようだ。

『最上さん?今日は何かあったの?』
ふと会話が切れたあと、心配そうな蓮の声が聞こえてきた。
「い、いいえ!!今日もちゃんと全力でお仕事しましたし、特に何も!!」
妙にしゃきしゃきと答えてしまったのが逆に怪しく思われそうだが、いっぱいいっぱいのキョーコは取り繕うことすらできない。
『そう?なんだか考え込んでるような感じがしたけど』
「そんなことはないデスヨ?」
『そうならいいけど、無理はしないでね。最近最上さんに会えてないね。ご飯を作りに来てくれてからずっとだ』
どきん、とキョーコの心臓がはねた。何と答えていいか分からず黙っていると、しばらくの沈黙の後蓮の声が響いた。

『ねえ、最上さん。14日の夜って、予定空いてる?』


そしてキョーコは14日の夜、都心のとあるダイニングバーにいた。キョーコの向かいには久しぶりに会う先輩俳優。

その店は入り口近くのバーカウンターと、奥のダイニングに分かれていて、食事とお酒の両方が楽しめるらしい。キョーコはまだ未成年のためジュースだが、蓮は軽く飲みながら、2人は食事を楽しんでいた。
会うまでは緊張していたキョーコだが、柔らかく微笑んだ蓮にエスコートされ、美味しい食事を楽しむ内に会話もはずんでくる。

やっぱり今まで通りの関係が一番落ち着くかもしれないな…

いくらかの安心感といくらかのがっかりとが混ざっていたが、それがキョーコの本音だった。

食事が一通り終わったところで蓮の提案もあり、2人はバーカウンターへと移動した。

お酒は飲めないけど…こういう場所が似合う女性って憧れだな~~

キョーコはそっと周りを見回しながら思う。カウンターの端の方の席に並んで座り、蓮が両手の指を組んで体をキョーコの方に少し向けた。
「今日、付き合ってくれてありがとう」
「そんな、お礼を言われることでは!こんな素敵なお店に連れてきてくださって、こちらこそありがとうございます!」
キョーコの言葉に蓮は微笑む。
「本当は……もっと早く、ちゃんと話さなきゃと思ってたんだけど」
キョーコはおそるおそる蓮の顔を見た。黙ったまま、ごくりと唾を飲み込む。

「この前は…ごめんね。俺が、無理やり誘導したみたいだ」
「…誘導…ですか?」
「うん。最上さんが俺にチョコを食べてほしいって言ったのが嬉しくて。つい、返事を強要するようなことを言ったよね」
「そんなことありません!」
「あの後冷静になって考えて…俺が強引だっただけかも、勘違いだったらどうしようって、ちょっと不安になった」
「そんな…」
「なかなか確かめられなかったけど。今日はちょうどホワイトデーだから」
蓮の顔が真剣なのを見て、キョーコも思わず背筋を伸ばす。

「俺は…この間言った通り、君に溺れている。君の一言で有頂天になるし落ち込むし……こんなことを言うのは情けないんだけどね」
はは、と蓮は力なく笑うと頭をかいた。
「こうやって顔を見られると嬉しくて、会えない時は不安になる。こんなに俺を振りまわせるのは、最上さん、君だけなんだ」
「…敦賀さん」
「この間は…ちゃんと伝えられなかったけど、君と一緒にいたい。君の、特別になりたい」

キョーコは思わず両手で口を覆ってしまった。
こんなに嬉しい言葉を、今日聞けるとは思ってもいなかった。そして、やっぱり自分も同じなんだと思う。蓮の存在が自分を幸せな気分にもさせてくれるし、すごく不安にもなる。

「私…私も、ちゃんと伝えたいです。私も、敦賀さんと一緒がいい…!」
蓮は安心したように肩の力を抜くと、ふわりと微笑んだ。
「ありがとう。ちゃんと伝えられて、君の言葉も聞けて、よかった」
そして、愛おしそうにキョーコの頬を大きな手で優しく包み込む。それから、何か思いついたようにバーテンダーを呼ぶと、小声で言葉を交わした。

泣きそうなキョーコの髪を、蓮は優しく何回もなでてくれる。それだけでもっと胸がじんわりしてしまって、キョーコはただひたすらに耐えていた。緊張感ではちきれそうで、周りに人がいなかったら蓮に抱きついてしまっていたかも、と思うくらいだ。

ほどなく、バーテンダーが蓮とキョーコの前にグラスを置いた。
「これは…?私、お酒は…」
キョーコの前に置かれたのはカクテルグラス。中にはクリーミーなオレンジ色の液体がバーの間接照明を受けて光っている。

「最上さんにOKもらえたら作ってもらおうと思ってたカクテル。大丈夫、アルコールは風味付けくらいしか使ってないから」
キョーコが口をつけると、甘い芳香が鼻をくすぐった。
「オレンジの香り…?」
「そう。それは"ブザム・カレッサー"。ほんとはブランデーがしっかり入っててちょっと味は違うけど」
「でも、甘くてなめらかで、美味しいです」
「…うん。最上さんが、デザートに意味を込めてくれたから、そのお返し」
「な!!私じゃないですよ…だって、アフォガートの意味なんて知らなかったんですもん」
キョーコは軽くふくれて蓮をにらむ。

「じゃあこのカクテルの意味は知っておいて。そして、二十歳になったら本物のを一緒に飲もう」
「これ、えっと、なんて名前と、意味なんですか?」
「"ブザム・カレッサー"。意味は…『密かな抱擁』」

さすがに人前じゃ無理だけど、あとでゆっくり、ね?

そっと囁かれて、照れ隠しにもう一度グラスに口をつけたキョーコの頬は真っ赤だ。
お酒は入っていないのに、十分に酔わされて。
でも当分、2人の恋はひそやかに。







ブザム・カレッサーのレシピです。

ブランデー 2/3
オレンジキュラソー 1/3
グレナデン・シロップ 1tsp
卵黄 1個

シェーカーでシェークして作るので、自分じゃ作れない…。
ちなみにぞうはな、飲んだことありませーん。

レシピ通りに作るとアルコール度数が40度になるそうで、キョコさん、20歳になってもうっかり飲んだら蓮さんにお持ち帰りされちゃいますよー。
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コメントコメント


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甘いですね!

バレンタインから、ホワイトでーへの流れが非常に甘いお砂糖の河になってますw

どんぶらこw

二人して溺れて、お互いに抱きついて、沈んでも、まだ離れないw

そんな感じでしょうか。

ブザム・カレッサー・・・・40度!
そのまま飲んだら、命の危機かもw

でも、お洒落なカクテルですね。


魔人 | URL | 2013/03/13 (Wed) 23:53 [編集]


Re: 甘いですね!

>魔人様

コメントいただきまして、ありがとうございますー!

> 二人して溺れて、お互いに抱きついて、沈んでも、まだ離れないw
>
> そんな感じでしょうか。

そしてどこかへ流れ着いてほしい、そんな感じです!
でも私の腕ではそこまで表現できず…ううう

> でも、お洒落なカクテルですね。

美味しそうなんですけどね。材料がほぼ全部酒ですね (^^;
本で見つけて なんて名前! って思ってそのまま使ってしまいました。

ぞうはな | URL | 2013/03/14 (Thu) 21:47 [編集]