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塔の上のキョーコ【リクエスト】(おまけ)


こんばんはー!

今日も寒いです。
全国的にこの12月は平年より寒かったとか…。
乾燥もしてますし、うがい手洗いちゃんとして睡眠とって栄養とって、元気に年末年始を迎えたいですね!

さて、本日は「塔の上のキョーコ」おまけです。
お話としては考えてたんだけど最終的におとしたネタを、ちょっとだけ。
ではどうぞ。





■なぜ?

ある日、2人でのんびりお茶をしている時に唐突にクオンが尋ねました。
「それにしても、キョーコはなんでずっとあの塔の上に幽閉されてたんだろうね」
「ずっとあそこで生活してたので、あんまり疑問に思いませんでしたね…」
「下に降りたいと思わなかったの?」
「思いましたけど…あ、そういえば、聞いたことあります。まだショーちゃんの両親が一緒にいた時に」
「なんて言われた?」
「私はすごく珍しい星の下に生まれたから…下に降りるとさらわれちゃうって」
「さらわれる…?キョーコ、誕生日はいつ?」
「12月25日です」
「今17歳だったよね」
「はい」

「うーん、そうか…ちょっと待ってて」
クオンは足早に部屋を出て行きました。キョーコがしばらく窓の外を眺めながら待っていると、クオンがにこにこ笑いながら戻ってきました。

「楽しそうですけど、どうしたんですか?」
首をかしげながら聞くキョーコに、クオンはにっこりと笑いました。
「確かに君はなかなかすごい星の下に生まれたようだね」
「えっ?」
「今王室お抱えの占い師に見てもらったんだ。キョーコは身近な人を盛りたてる人らしい。それも強力に」
「え、じゃあ、クオン様を盛りたてるってことですか?」
「そうなるね。それはつまり、我が国の繁栄にもつながるってことかな」
「そんなオーバーな…」
「まあ、俺としてはキョーコがどんな運を持っていても関係ないけどね」
「そうなんですか?」
「そう。キョーコと出会えてこうやって一緒に暮らせるってことは俺自身強運の持ち主ってことだから」
「クオン様ったら…」

クオンは心の中で考えました。

それにしても、あの塔にいたショウという魔法使いはそのことを知らなかったのか?
両親があの男のためにキョーコをずっとあの塔に置いておいたのだとすると…あの男、えらくバカなことしたってことか。

まさにその通りだったので、このしばらく後、ショウはすごく久しぶりに会った両親に、泣いちゃうほど説教されたのでした。


■ほんとにいいの?


それは、キョーコがお城に連れてこられてすぐのこと。
ヤシロとクオンがキョーコにお城の事や王族の事を少しずつ教えていた時の事です。

「ヒズリ国ってそんなに古い歴史のある由緒ある国なんですね…」
「まあ確かにかなり続いていることは確かだね」
「ああ…そんな国の王子様がクオン様なんですね」
「ええと、まあ、そうだね…」
「私、ほんとに大丈夫なんですか?」

(きた!)
男二人は思いました。

「大丈夫だよキョーコちゃん」
「そうだよキョーコ。そんなのは全く心配しなくていいよ。父も母も歓迎だって言ってただろう?」
「それは…確かに優しくしていただいて、嬉しいんですけど。王様は立派な方で王妃様はものすごく優雅でおきれいな方で…私なんて、恐れ多くて…」
「…キョーコ。じゃあ、教えてあげようか」
「何をですか…」
「母の出身のこと。父と母の馴れ初めは知らないだろう?」
「はい…」
「父はあの通り、このヒズリ国の王族なんだけど、母は全く関係ないんだ」
「どこか別の国の方なんですか?」
「いやー、多分、生まれはこの国」
「多分って…」
「だって、うちの母旅芸人だったから」
「ほえ?」
「ほんとだよキョーコちゃん。ジュリエラ様は旅芸人の一座にいて、歌を歌いながら踊りを踊っていたらしいんだ」
「えええええ?」
「たまたま旅先で母の舞台を見た父が、一目ぼれしてね…」
「しばらく一座にくっついて回って、口説き落としたらしいよ」
「本当ですか?」
「「本当!」」

「それが本当だとすると…」
「うん」
「王様とクオン様って行動がどこか似てるんですね」

(え、そっち?)


■どこに?


それは、キョーコがお城に着いてからしばらくしてのこと。まだ婚礼には日にちがある日の事です。

「キョーコ、城下に遊びに行かない?」
「クオン様、もう日が暮れますよ?って、もう髪も瞳も変装済みで行く気満々じゃないですか」
「だってキョーコここに来てから昼しか外に出てないだろう?」
「もともと塔にいた時も夜は外になんて出たことないです」
「夜の街は昼と違って面白いんだよ。行ってみよう」

こうしてクオンはキョーコをお城から街へと連れ出しました。もちろんヤシロに言い含めて他の者には内緒です。

「ずっと城にいると街の人々の暮らしっぷりが分からないからね」
「そう言いつつクオン様、うきうき楽しそうですよ」
「まあまあ、仏頂面で回るよりいいだろう?」
「ふふ、そうですね」

二人は少し大きめの酒場へと入って行きました。店の端には一段高いステージがあって、これからライブが始まるところのようです。キョーコはステージ上の歌い手を見てあっと驚きの声を上げました。
「なんでショーちゃんがここに…?」
ん?とクオンもステージに目をやります。そこには若くて整った顔立ちの男がギターを片手に歌の準備をしていました。クオンはそっとキョーコに尋ねます。
「あれが…君と一緒に住んでいた魔法使い?」
「はい…確かに都で歌を歌って有名になるんだって言ってましたけど…」
「まあ要するに…酒場をドサ回りしてるってことか」
「村でやってたのとあんまり変わらないみたいです…」
二人は一応ショウの歌を聴くことにしました。

一方のショウは、気持ちよく何曲か歌い終わったところで近くのテーブルで歌を聴いて拍手を送ってくれたカップルに目を止めました。

おっ。あの女、なかなか可愛いじゃん。……って!もしかして、キョーコか?
いやまさか!だってあいつはあの塔にいて…ちょっと前に行った時もあそこにいたじゃねーか
ああ、びっくりした。……んん、でも見れば見るほど…似てるな。でもキョーコはあんな服も持ってねーし化粧もしねーし。
しかしなんだよあの男の方。無駄に愛想ふりまいてんじゃねーよ。俺の客の女の視線まで持っていくんじゃねえ。
ああ、帰るのか…しかし本当にキョーコそっくりだよな…笑い方も、仕草も……だーーー!男!キョーコにくっつくなよ馴れ馴れしい。あ、いや、キョーコじゃねーのか。
大体あいつがあんな男に腰抱かれて笑ってるわけねーよなあ。…ああでも……一応念のため、村に行って確かめてくるか。


そうして数日後に村に戻ったショウは、跡形もなくなった塔の前でしばらく呆然とたたずみ、たまたま通りかかった村人に、キョーコが格好いい男に見初められて都へ旅立ったことを聞いて灰のように真っ白になったのでした。




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